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ARGの企画5つのポイント | だいたい現実

ARG(代替現実ゲーム)の企画を立ち上げるときにした5つのこと

ARG(代替現実ゲーム)の企画を立ち上げるときにした5つのこと

 ARG(代替現実ゲーム)の制作・運営手順のうち、「ARGの企画を立ち上げるときにしたこと」について自分の経験を元に整理してみました。これがARGの正しい制作手順だと断言はできませんが、ARGの制作手順をまとめた情報は書籍やインターネットでも少ないので、参考のひとつになればと思います。

ARGの企画を立ち上げるときにした5つのこと

  1. ARGの企画立ち上げに関わる人のスキルを確認する
  2. ARGを実する施期間やポイントとなる日をおよそで構わないので決める
  3. どんなストーリーのARGにするかを決める
  4. ARGに登場するキャラクターの設定を決める
  5. 箱書きを作り、カレンダーに落とし込む

1. ARGの企画立ち上げに関わる人のスキルを確認する

 ”ARGを定義する3つのポイント”でも書いたように、ARGは「プレイヤーを取り巻く様々な接点(例:メール、SNS、電話、ポスター、現実の場所など)から断片的な情報を投げかける」ことを基本的な手法としています。

 つまりARGを制作・運営するには、様々な接点に通じた人や、その接点で使う小道具が制作できる人、ストーリーテラー、役者などが必要となります。技術はないけれど、人を集められると言うのも立派なスキルです。まずはARGの企画立ち上げに関わる人のできること、できないことを把握しましょう。

2. ARGを実施する期間やポイントとなる日をおよそで構わないので決める

 ARGは経験上、実施期間の1/2程度の準備期間が必要です。例えば3ヶ月間実施するARGであれば、実施開始日の1.5ヶ月前には企画の立ち上げを始めておきたいところです。

 またARGは、なにかの告知を目的として実施されることや、現実の場所を借りて行うことがあるため、特定の日時がポイントとなることがあります。これらの日時は、ARGを制作・運営する上で絶対に守らなくてはいけない条件となることがほとんどですので、ストーリーを考える前に確認しておきましょう。

 なお、絶対に守らなくてはいけない日がない場合でも、ARGを何ヶ月間実施するのか、ストーリーの区切りを何週間(何日)おきにするのか、情報を何日間隔で投下するのか、と言った目安は立てておきましょう。これは個人で制作・運営するARGの場合でも同じです。

例)実施期間:3ヶ月 / 主に週末に情報を投下 / 週末は約12回 /
  ストーリーは3幕構成想定で2回/8回/2回を目安に構成

3. どんなストーリーのARGにするかを決める

 ARGの実施期間やポイントとなる日を確認したら、そのことを頭の片隅に入れつつ、どんなストーリーにするのかを決めます。ただし、この段階では細部を詰める必要は全くありません。このARGの「ジャンル」「ストーリー上のテーマ」「登場人物の目的」「プレイヤーのすること」「何を達成すればARGは終わるのか」と言った基本的な方針を考えましょう。

4. ARGに登場するキャラクターの設定を決める

 ストーリーを決めていると、ほぼタイミングを同じくしてARGに登場するキャラクターの設定が浮かんでくると思います。プレイヤーに協力(敵対)する人物・組織は誰か? どうしてその接点(例:メール、SNSなど)を使ってプレイヤーに情報を投げるのか? と言った基本設定を中心に固めていきましょう。基本設定が固まったら、年齢・性格・行動パターン・口癖(書き癖)も決めておきましょう。

5. ARG流の箱書きを作り、日程に落とし込む

 ストーリーの基本方針とキャラクターの設定が固まった段階で、目安とする日程やストーリー上の節目に合わせて箱書きを作ります。ARGのストーリー制作における箱書きとは、情報を提供するイベント(機会)ごとに「プレイヤーが得なければいけない情報」「情報を得るための方法」「必ず提示しておく設定」を箇条書きで表したものです。このとき、それらの情報を伝える際の文言やセリフなども思いつけばメモしておきましょう。

 その上で、フローチャートなどに箱書きを配置して、並行してイベントが発生する箇所、そうでない箇所を確認します。

 なお、情報を得るための方法としてパズル的な謎を用いる場合は、この段階でパズルを解いて得られる答を前後のイベントや登場人物の趣味などに関連付けておくとパズルがストーリー内で浮いてしまうことが少なくなります。

 箱書き作成から日程への落とし込みは、ARG制作全体から見ても比較的、時間を必要とする作業で、時には上流の工程に戻ってやり直すことも少なくありません。ですが箱書きでの伏線の仕込みや構成の完成度が、ARG全体の完成度に強く影響します。箱書きを作成して設定に矛盾を感じたり、ストーリーの落としどころを見つけられなかったりしたときは、次の制作ステップに進む前に確実に潰しておきましょう。


最後に

 こうして整理をしてみると、ARGの企画を立ち上げるときには、ステップ2、もしくはステップ3のあたりでストーリーテラー的な素養をもった人が必要になることがわかります。実際のところ、ARGの制作にはARGの構造を理解したストーリーテラーが欠かせません。

 またストーリーの結末や展開が変化するというARGの特性上、シナリオを書いて終わりと言うことは少なく、むしろARGの運営終了まである程度の期間、箱書きの修正やシナリオの改訂に時間を割くことがARGのストーリーテラーには求められます。


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