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ARG(代替現実ゲーム)事例紹介『MUTOresearch.net』(海外)

ARG(代替現実ゲーム)事例紹介『MUTOresearch.net』(海外)

 ARG(代替現実ゲーム)の事例紹介。今回はバイラルプロモーション寄りの海外ARG『MUTOresearch.net』をご紹介します。
 なおこのARGは、2014年1月2日現在も進行中のARGです。よって以下の見解は、あくまでも投稿時点での見解であることをお断りしておきます。またARGの名称については、ネタバレを防ぐために意図的にゲーム中のサイト名としてあります。ご了承ください。


MUTOresearch.net ARG(代替現実ゲーム)の開始

 2013年12月8日の夕方。2本の動画がYouTubeに投稿されました。動画のタイトルは「MUTO VIDEO」。投稿者名は「M.U.T.O.」。しかし、その動画はリンクを知る者だけが表示できる限定公開だったため、この時点では話題となることもありませんでした。

 米国のARGプレイヤーがこの2本の動画の存在を知ったのは、中国の映画情報専門サイト『Mtime』に掲載されたひとつの記事からでした(時差の関係で中国での掲載は2013年12月9日10:00ですが、これは米国西海岸で2013年12月8日18:00を指します)。

哥斯拉”预告片破解启动 重庆天坑引出神秘网站

 Mtimeの記事からは「重慶で発見された巨大な穴を調査している謎の組織の写真がリークされた」こと、「そのうちの1枚の写真に”MUTOresearch.net”と書かれたコンテナが映っていたこと」が判明しました。こうして米国のARGプレイヤー、特にこのARGがどんな映画のプロモーションARGであるかを察知したARGプレイヤーが”MUTOresearch.net”にアクセスを始めたのです。

注)以降の情報は、いわゆるネタバレ要素を含みます。その点、ご留意ください。


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怪獣王の復活

 ”MUTOresearch.net”にアクセスをしたARGプレイヤーたちは、同サイトをハッキングすることでさらに3本の映像を発見しました。どの映像もかなり不鮮明ですが、街が破壊される様子や、軍隊と思わしきものが戦闘をしている様子、謎の日本人などを確認することができました。ARGプレイヤーたちは既にリークされている出演者情報と今回入手した映像から、このARGに対する自分たちの予測が正しかったことを確信します。

 そして翌2013年12月10日。”MUTOresearch.net”や様々な映像サイトを通じて、ある映画の予告編が公開されました。映画のタイトルは『GODZILLA(2014)』。日本映画『ゴジラ(1954)』をハリウッドでリメイクすると発表があり、話題となっていた作品でした。

今後の展開に期待を持たせるイースターエッグ(隠しメッセージ)

 こうして”MUTOresearch.net”での調査は一旦、収束しました。ですがARGプレイヤーの間には、まだ多くの疑問が残されていました。
 ひとつはComic Con2013(米国のコミケ)に先立って公開されたサイト『ゴジラ・エンカウンター』で共有された情報の謎(特に2013年7月10日から同月15日にかけて投稿されたENCOUNTER IS COMINGと書かれた画像に隠されている単語)。
 もうひとつは”MUTOresearch.net”のハッキングで利用したコマンドプロンプトに過去のゴジラ関連の単語を打ち込むと現れるイースターエッグ(隠しメッセージ)です。

 そもそもM.U.T.O.という組織自体、どんな組織なのか明かされていません。ARGプレイヤーの間では、コマンドプロンプトに”godzilla”と入力しても反応がなく、”gojira”と入力すると反応があることから、日本の組織ではないかと考えられている程度です。
 また、映画『ゴジラ(1954)』でゴジラを殺した芹沢博士の名前(serizawa)を入力すると現れる不可思議なメッセージなど、旧作との関連が伏線として張られたままになっている点も、2014年5月の公開日までに再度、動きがあると考えられる理由となっています。


最後に

 この”MUTOresearch.net”ARGを現時点(2014年1月2日時点)で区分するとすれば、昨今のARGのトレンドであるバイラルプロモーション寄りの短期型ARGであり、「プレイヤーの意志決定によってストーリーの結末、展開が変化する」という当ブログの定義を満たした長期型のARGではないと考えます。
 しかし、ARG開始前に相当量の断片的な情報をインターネット上に散りばめていること、現在もARGは続いていると考えられることから、今後の展開にも期待したいところです。


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